韓国の国民的歌手であり女優でもあるIU、そして韓国映画を代表する「パラサイト」に出演するイ・ソンギュン主演の作品。
ヒーリングストーリーとして多くの人を感動させ、2019年の百想芸術大賞において作品賞・脚本賞を受賞した「マイ・ディア・シスター〜私のおじさん〜」のあらすじ・感想をまとめました。
「マイ・ディア・シスター〜私のおじさん〜」の概要とあらすじ
タイトル | マイ・ディア・シスター~私のおじさん~ |
原題 | 나의 아저씨(私のおじさん) |
脚本 | パク・へヨン |
演出 | キム・ウォンソク(「ミセン」「シグナル」) |
キャスト | イ・ソンギュン、イ・ジウン(IU)、コ・ドゥシム、ソン・セビョク、パク・ホサン、イ・ジア |
放送局 | tvN |
韓国放送 | 2018年3月21日~2018年5月17日 |
韓国視聴率 | 7.4% |
話数 | 全16話 |
配信 | NETFLIX U-NEXT |
「マイ・ディア・シスター〜私のおじさん〜」の予告
「マイ・ディア・シスター〜私のおじさん〜」のあらすじ
建設会社で働くドンフン(イ・ソンギュン)に、ある日、差出人不明の5000万ウォンの商品券が届く。直前に母から、無職の長男のために、家を売って食堂をやらせたいと相談されたドンフンは、それを受け取ってしまう。翌日、ドンフンは匿名の告発を受けた監査部から調査を受けることに。しかし、商品券は彼の机からこつ然と消えており、ドンフンは答えに窮する。すると、突如商品券がビルのゴミ置き場から見つかる。ドンフンは「5000万の商品券を捨てた男」として社内で英雄扱いされることに。商品券を捨てたのは契約社員のイ・ジアン(IU/アイユー)だと知ったドンフンは、自分が捨てたことにしてほしいと彼女に頼む。すると、ジアンから交換条件として1ヶ月間食事をおごってほしいと言われてしまう。実は、ジアンは、ドンフンの妻ユニ(イ・ジア)と不倫関係にある社長ト・ジュニョン(キム・ヨンミン)からお金をもらうため、ドンフンを陥れようとしていた。そうとは知らないドンフンは、ジアンに関わるうちに彼女が多額の借金を抱えていることや、孤独な人生を歩んできたことを知り、少しずつジアンを助けるようになる。そんなドンフンの優しさに触れるたびに、ジアンの心は少しずつ揺らぎはじめ・・・。
BS朝日
「マイ・ディア・シスター〜私のおじさん〜」の主な登場人物
パク・ドンフン(イ・ソンギュン)
建設会社で働く建築構造技術士。道理通りの人生を生きる安全主義者。
イ・ジアン(IU)
ドンフンの働く会社の派遣社員。辛い過去を持ち、冷たい境遇に耐えながら生きている。
イ・グァンイル(チャン・ギヨン)
ジアンを苦しめる貸し金融。理由はわからないが、ジアンに深い憎しみを抱いている。
カン・ユニ(イ・ジア)
ドンフンの妻で弁護士。夫の務める会社の社長で大学時代の同期であるジュニョンと不倫をしている。
ト・ジュニョン(キム・ヨンミン)
ドンフンが勤める建築会社の社長であり大学時代の後輩。再信任を前に票集めに必死。ドンフンの妻と不倫中。
「マイ・ディア・シスター〜私のおじさん〜」の感想
記憶に深く残るドラマでした。
このドラマに登場する人物は物語によく出てくる憧れの職業や名誉を手に入れてキラキラしていたり、秀でた才能があるわけでもない、ただただ私たちの周りにいる平凡な人たち。
そのため一人一人のキャラクターに親近感があって、とてもリアルな世界のように感じられました。
生まれてから、何も罪がないのに辛い境遇を生きながら耐えて生きているイ・ジアンという22歳の女性と、大企業に勤め、所帯も持ち、優しく信頼も厚く順調な人生を歩んでいるようにみえて、なぜか満たされず苦しんでいる孤独なおじさんパク・ドンフンの孤独を抱える2人の出会いがとっても小さいけど大きい奇跡を生み出します。
2人の人生に奇跡を起こしていくのは優しさ。
彼らは周りの人間の本来の優しさによって、些細な幸せを感じなら、それぞれの道に進んでいきます。
ただ、3人の境遇や人生はとても重いもので、殺人、借金取り、不倫、後継者争いなど全体的に物語は暗いものです。
しかしそんな彼らの人生は、暗い中にもふとあったかくなるような、周りの優しさだったり、人間本来の温かさが垣間みえて、”生きる”ってこういうことなんだなと思わせてくれるような、どんなことがあっても人間本来の他人を想う思いやりや優しさが、人を救うんだろうなと思わせてくれるドラマでした。
自分が人間であることが素敵であると感じさせてくれて、そして周りの人を大切にしていこうと思合わせてくれる人生の教本となるような作品でした。
「マイ・ディア・シスター〜私のおじさん〜」の見どころ
身近にいるありふれた人たち
このドラマには一人として特別な人間や能力者は登場しません。
ただの会社員。借金に終われる若い女性。挫折を味わって細々と生きる人。夢を諦めた人。トラウマを抱えた女優。未練があり前に進めない女性。
周りにごく普通にいる人。一人として何も悩みがなく成功している人たちはいません。
しかしそれは私たち現実世界からしたら普通のことであり、ドラマや映画の世界のような成功者なんてこの世界に一握りしかいません。
この作品はそんな平凡な人たちの人生における絶望・葛藤・どんなに懸命に生きていても上手くいかないという現実をリアルに描いており、その中でも周りの優しさに支えられながら些細な幸せを一つづつ紡いていきます。
そのため、観ている視聴者はこのドラマの出来事をとても現実的に見ることができるし、自分たちの日常に当てはめて感じることができます。
人間本来が持つ”優しさ”
人間って誰しも本能的に”優しさ”というものが備わっていると思います。
育てたものではない、誰もが生まれ持つ心の中にある”優しさ”という感情。このドラマはありふれた人々の優しさに触れることができる作品です。
そんな大それた、称賛されるようなことをしているわけではありません。ちょっとした気遣いがある人にとってはとても有難いことであったりします。
このドラマでは一人一人の些細な優しさが周りのの人生を豊かにしていく過程が描かれます。
例えばこのドラマに登場するドンフンを含めた”おじさん”たちは皆、人情に厚く、温かい人々ばかりです。
お酒ばかり飲んでいるような近所の居酒屋に普通にいるおじさん。でも彼らは実は色々な葛藤や悲しみを乗り越えて生きてきており、彼らだからこそ他人の辛さを理解し、気にかけてくれるのです。
この作品を通して人間本来の純粋な優しさに触れることで、人間って捨てたものではない。自分の些細な優しさで人を幸せにできるのだから、自分もおじさんのように周りを気遣って生きていこうと思わせてくれます。
人生を導くメッセージ
このドラマはまさに人生を導いてくれるようなドラマです。
ありふれた人の些細な優しさが人生を救うということを訴えています。
このドラマに登場する孤独な女の子イ・ジアンは、まさに些細な優しさに触れながら、救われて、変化し、成長していきます。
人を変えられるのは、救えるのはやはり人しかいません。
このドラマに登場するおじさんを含め全ての人物を通して、生きるということは何も大成功してこそというものではなく、些細な幸せに浸りながら、毎日を一生懸命生きてこそ素敵なんだと教えられます。
このドラマには人間の救いとなるようなメッセージと言葉が詰め込まれており、今を生きる全ての人たちに、一度は見て欲しいドラマです。
まとめ
以上「私のおじさん」の紹介でした。
私の人生の教本である作品であると同時に、多くの人に観てもらいたい作品となりました。