韓国ドラマにおいて、製作が始まる前の段階、特に注目の話題のドラマの製作が始まる段階で、台本の読み合わせについてのニュースが流れます。
共演するスタッフや俳優たちが一室に集まって、それぞれ座りながら、台本を読み合っている様子や、キャストが集まってそれぞれ私服で、製作前の集合写真を撮る様子などが日本でも話題のドラマが始まる際にはニュースとして取り上げられていますよね。
待ち望んだ視聴者たちはこのニュースをみて、「ドラマの製作が始まるんだな」「ドラマのキャストはこの人たちなんだ」と初めて認識します。
この「台本の読み合わせ」。
日本ではこのような行事が行われている場面を見たことも聞いたこともありません。
しかし韓国では作品が始まる前は必ず行われる必須の行事だといいます。
しかし私たちは台本の読み合わせと聞いて、漠然と台本をキャストみんなで読むのかなと認識するだけで、具体的に何が行われているのか、どのようなことをしているのか、全くわかりません。
ただ韓国ドラマが好きな方なら一度は疑問に思ったことがあるのではないでしょうか。
そこで今回は韓国ドラマでよく聞く台本の読み合わせという行事の具体的な意図や内容をまとめてみました。
台本の読み合わせとは?
この台本の読み合わせ。
韓国では、리딩(リーディング)といわれているのですが、こちらは名前の通り、出演キャストや製作陣が、製作前に一同集まって、それぞれ顔を合わせ、演技をしならが台本のセリフを読み合っていく行事のことをいいます。
韓国ドラマを製作する際には、台本が作品の最初から最後まで完成した段階で製作するという場合はほとんどありません。
これは、放映日のギリギリに製作を初めて、放映しながら視聴者の反応に合わせて、台本を変えていくというスタイルが一般的な韓国ならではの形式です。(ただ、ドラマによっては例外もありますが)
なので、この台本の読み合わせをするタイミングは、90%が概要と台本の下書きが完成した段階で、行われるそうです。
つまり台本も下書きの台本なので、読み合わせ後に内容が変わる可能性もあるということですね。
台本は全て読み合わせるのか。
「台本の読み合わせ」と聞いて思うのが、「最初から最後までの台本を全て読み合わせるのだろうか」ということです。
全てを行うのだとしたら、「一体どれだけ時間がかかるのだろうか。」「全て台本を読み合わせるその意図はなんだろうか」など、疑問が膨らみます。
結論をいうと、「台本の読み合わせ」では基本的には作品中の1話のみを行うといいます。
そのため、時間も30分から1時間、多くても2時間で行われるそうです。
またその際、例えば時間が長くて次のスケジュールに間に合わなくなる出演俳優は、途中で退出する場合もあるそうです。
どうして「台本の読み合わせ」を行うのか。
ここまで気になるのが、「台本の読み合わせ」をなぜ行うのかです。
全ての台本を行うならまだしも、1話のみで、時間も短く、途中退出可ということの「読み合わせ」。
しかも台本が下書きで、内容が変わる可能性もあるという。
ただ、この行事は製作を行う上で必須の行事。
果たしてこの読み合わせを行う意図はどこにあるのでしょうか。
結論をいうとこの読み合わせの意図は「雰囲気をつかむ」ことにあります。
製作前に集まって、台本を読み合いながら演技をしてみて、自分の役と接するキャラクターがどんなキャラクターなのか、また自分の役がどのようなキャラクターなのか、全体的な雰囲気を事前に把握するために行われるのだそうです。
また、この読み合わせにはプロデューサーや脚本作家、また製作陣も参加するそうで裏方の方達も事前に作品の雰囲気を掴んでいき、それに向けて準備を行います。
この意図を知って、キャストとしてはまず製作前に共演者と呼吸を合わせて演技をすることで、それに合わせてどのような役作りを進めてよいのか明白になるし、製作側としても作品の全体像や雰囲気をまず知ることで、それに向けた環境づくりをスムーズに行うことができ、製作前にまず初めに行うとても良い機会の場だと思いました。
この読み合わせは作品を製作する準備・役作りのための準備で、非常に大事な行事であるのです。
まとめ
今回は韓国ドラマの製作前に必ず行われる「台本の読み合わせ」についてまとめてみました。
読み合わせという短時間で行われるラフな行事のように見てていたものが実はとても意味のある行事であることがわかります。どのようなことが行われるのか、どのような意図があるのか、これを理解するとより韓国ドラマが、キャスト・製作陣が一致団結して一つの作品を丁寧に作っているという意思が感じられてより韓国ドラマの魅力が膨らんでいきました。