【韓国ドラマ】「ピノキオ」の作品紹介と感想:見どころを解説!

感想・レビュー

イ・ジョンソクとパク・シネという人気俳優共演のピュアラブ・ストーリー。
そして報道という過酷な世界へと飛び込んだインターン記者たちの挫折と成長を描いたこの作品。

2014年SBS演技大賞5冠を受賞した2014年最高の作品「ピノキオ」。感想・レビューです。

「ピノキオ」の概要とあらすじ

タイトルピノキオ
原題피노키오
脚本・制作ク・へリョン、チョ・スウォン
キャストイ・ジョンソク、パク・シネ、キム・ヨングァン、イ・ユビ
放送局SBS
韓国放送2014年11月12日~2015年1月15日
話数全20話
配信NETFLIX U-NEXT Hulu

「ピノキオ」のあらすじ

歪曲報道により父に汚名を着せられ、家族を失った少年ハミョン。ある島に流れ着いた彼は老人ゴンピルに拾われ、彼の息子ダルポとして生きる道を選む。一方、離婚した父とともに祖父ゴンピルの元にやってきた少女イナは、そこで同じ年の伯父ダルポに出会い、一緒に暮らすことになる。13年後、密かにイナを思い続けるダルポは、放送記者を夢見るも嘘をつけないピノキオ症候群という理由で試験に落ち続けるイナのため、一緒に放送記者を目指すことを決意する。紆余曲折の末、ダルポとイナはそれぞれライバル局の記者になるが、イナの母チャオクこそ、彼の家族を崩壊させた記者だった。さらにダルポは生き別れになっていた実兄と再会し…。

日本BSサイト

“嘘をつこうとするとピノキオの鼻は体を曲げることができないくらい長くなった。どちらかに体を曲げようとすると、ベッドや窓にぶつかって、反対の方向に曲げると壁やドアにぶつかる。。頭を曲げれば、鼻が目を突くみたいだ。”(童話「ピノキオ」より)

 このドラマは興味深い過程から物語は始まる。もし、世界にピノキオのように嘘をつけばすぐに分かるような存在がいたら?そしてもし自分がそのような人になったら?

 2千人に1人は突然眠気に陥る病気の患者、125万人のうち1人は痛み、暑さ、寒さ、空腹を感じない患者がいる。このドラマでは嘘を突くとしゃっくりがでるピノキオ症候群の患者が存在するのだ。これら43人中1人の割合で、ピノキオのように嘘をつくとするわかってしまうため、嘘を大変なので我慢して生きて生きなければならない。

 この世を生きるためにどうしても必要な嘘…そんな嘘をつくことができない記者がもしいたとしたら?嘘をつけないピノキオ症候群が事実を報道することは良いのか?悪いのか?この仮定を通して私たちが見るニュースは果たして事実のみで作られているものなのか…私たちが真実だと信じることが果たして本当に真実なのか…そしてそれが果たして美しい事実なのか…この質問について答えを見つけたい。

嘘で長くなったピノキオの鼻は妖精の目を突くくらい危険である。記者の嘘も大衆の目を盲目にしてしまう危険がある。

社会で記者として第一歩を踏み出す青春…それらはピノキオのようにまだ未熟である。しかし、彼らは真実の最前線で時には勝利して時には敗北して、言葉の重さと価値を悟っていくだろう。そしてピノキオが真の人間に変貌していくように、彼らも記者として成長していくだろう。

韓国公式サイト

「ピノキオ」の主な登場人物

チェ・ダルポ/キ・ハミョン(イ・ジョンソク)

幼い頃、火災事故と歪曲報道によって家族と生き別れる。

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チェ・イナ(パク・シネ)

記者を夢見ている。

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ソ・ボムジョ(キム・ヨングァン)

財閥の御曹司。チェ・イナを追って記者になることになる。

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ユン・ユレ(イ・ユビ)

チェ・ダルポの同僚。

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「ピノキオ」の感想

嘘をつくとしゃっくりが出てしまうピノキオ症候群という病気を持つ記者を目指すチェ・イナと情報操作によって、家族を失ってしまったチェ・ダルポ。
そんな彼らが記者として奮闘しながら、真実を追求し社会の闇を暴いていきます。

まず1話からの衝撃が大きかったです。
チェ・ダルポの家族に関するメディアの情報操作と家族の死を目の当たりにして深い悲しみと怒りを感じ、一気に物語の中に引き込まれてしまいます。
情報操作によるマスメディアの報道がここまで人の人生を左右されてしまうのだと”嘘”の恐ろしさを実感しました。

そしてそんな社会の中で、嘘をつけない記者と嘘の怖さを知る記者がそれぞれ、”嘘”によって救われる報道があるということを学びながら、記者として真実をどのように伝えるべきか葛藤する姿が描かれています。
とても現実的でリアルなものがあって、色々と考えさせられる場面がたくさんあります。

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私はこのドラマをみて記者という職業に興味を持ち、”嘘”が身近にあるマスメディアと密接している今の社会で情報と上手に向き合って、真実を見極めていきていかなければいけないと感じました。

このドラマはそんなメッセージ性ある社会派のドラマになっていると思います。
そのため韓国ドラマらしく重いストーリー展開が多い作品です。

ただ、このドラマにはダルポとイナの恋愛模様も描かれており、イナの母とダルポの確執により苦しめられながらも、2人はお互いの幸せを探していきます。

またダルポとイナの家族の絆も描かれており、娘・そして息子を大切に想う家族の支えがあって、彼らは困難に立ち向かっていきます。

様々な展開が含まれているこの作品は社会派のドラマの中にも恋愛・家族愛などもを含ませることでバランスが取れている作品だと思います。
「君の声が聞こえる」などの人気作品を生み出した脚本家の作品ということもあり、ストーリーが細かく、セリフに重みがある巧みなドラマでありました。

「ピノキオ」の見どころ

チェ・イナとダルポの恋愛模様

イナとダルポを中心に物語が展開するこの作品。
幼い頃からイナを想い続けていたダルポですが、彼はイナの叔父です。

2人は仕事のライバルとして記者としてお互い奮闘するのですが、そんな中でもダルポはイナを想い続け彼女を陰から支えていくのです。
そして徐々にイナもダルポに惹かれていくのですが、2人にはとても大きな壁が待ち受けていました。

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そんな中、2人がどのように乗り越えていくか、どのような結末を迎えるのか最後までわからずドキドキの展開です。

好きで思い合っているということが分かっているのに、自分ではどうしようもない複雑な壁を前に葛藤していく様子が何よりも切なく、うまくいかないもどかしさと周りに翻弄させれしまう2人の恋愛模様がこのドラマの1つの見どころとなっています。

家族愛

このドラマでは様々な家族愛が描かれています。

ダルポと実の兄。血のつながらない祖父。
イナと父親、そして離れ離れになった母親。

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家族との関係ってとっても身近であるがゆえに単純にいかないことが多いものです。
家族としてどんなに想っていても素直になれなかったり、本当の気持ちを言えなかったりする、それが理由でこじれてしまう、そんな家族の姿がこのドラマではリアルに描かれていました。

特に見どころとなっているのがダルポと血の繋がらないイナの祖父の関係。
イナの祖父は血が繋がっていなくても、大好きだからと自分の弟であるとずっと嘘をつき続けてきました。

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嘘をテーマにしたこの作品で、ダルポとおじいちゃんの関係は、この世界には嘘の恐ろしさとともに、相手を想う嘘もあるということを教えてくれます。

”嘘”についての問題提起

作中では嘘をつけないピノキオ症候群という架空の病気が存在します。
そんな”ピノキオ症候群という嘘をつけない病気をもった少女”と”歪曲報道により家族を失った少年”
この2人が記者になるという設定の中で斬新な問題提起がされているのがこのドラマの一番の面白いところです。

嘘に敏感な2人が記者となり、真実を報道するために奮闘する中で、”嘘”のなかには、ついてもいい嘘、相手を想った嘘に溢れているということを知っていきます。

真実を報道することで、被害が出てしまう、そんな時でも記者は、真実を報道すべきなのか?それとも嘘をつくべきなのか?

このドラマはそんな究極の問題に迫るドラマとなっています。

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このドラマを通して、はマスメディアの恐ろしさというものを学ぶことができます。
”嘘”が人1人の人生を変えるほどの大きな影響力をもつことをしり、そしてそれを実感した私たちは、自分の言葉に責任をもっと持たなくてはならないと、決意させられます。

まとめ

今回は「ピノキオ」についての紹介でした。

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